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銀投資の基礎知識

「銀」プロフィール

アクセサリーや食器などの原料としておなじみの銀(シルバー)は、古くから金とともに、貴重な金属として珍重されてきました。

かつては金よりも高価だった銀ですが、精錬技術の発達や、大規模銀山の開発などによって、希少性は低下していきました。

有史以来、人類が採掘・精製した銀の総量は約100万トンに上り、金の約17万トンを大幅に上回っています。足元では、銀の価格は金の価格のおよそ80分の1となっています。

銀は、全ての金属の中で最も電気伝導性が高く、金の次に良く延びる性質を持っているため、近年では、エレクトロニクス分野で重用されています。

また、銀イオンはバクテリアなどの持つ酵素と反応するため強い殺菌力を示し、広く抗菌剤としても使われています。

銀の需要

近年では、銀需要の半分以上が工業用途になっています。

電子回路やソーラーパネル、写真用フィルム、化学触媒など、幅広い用途で銀は使われています。

中でも、パソコンやスマートフォンの基盤などの製造には、銀が欠かせません。

その他、宝飾品用の需要や投資需要がそれぞれ全体の2割程度あり、最近では銀ETFの需要も増えてきています。

銀の供給

銀の供給は、およそ8割が採掘によるもので、残り2割弱がリサイクルによるものとなっています。

リサイクルによる供給は、銀価格に左右されやすく、銀価格が上昇すると、リサイクル供給も増える傾向があります。

一方、生産国を見ますと、メキシコ、ペルー、中国の 3 か国で、世界の銀鉱山生産の 5 割以上が占められています。

メキシコは、世界最大の銀生産国となっています。

2022年の同国生産量は、前年比610万ozの微増。メキシコには、世界最大の銀企業であるフレスニージョがある。また、世界最大級の銀鉱山も複数抱えています。

中国では、銀生産量の大半が他の金属の副産物としてのものとなっています。近年の増産は、同国鉱業の発展が影響しているようです。

ペルーは世界最大の銀の埋蔵量を誇り、その量は31.5億ozに上ります。将来的には、世界第一位の生産国となる可能性もあります。

銀の需給見通し

The Silver Instituteによると、2022年は、需要が大きく増える一方、生産量がそれほど伸びず、大幅な供給不足となりました。

2023年には、生産量が増加し、需要が減少することで、需給ギャップは縮小するものの、引き続き供給不足となると予想されています。

銀価格の動向

銀は、金と同様に景気やインフレ、金利、地政学リスクなどが価格変動要因となります。

☛ 参考:意外と知らない!? 金価格の変動要因

他の貴金属と比べますと、物価やインフレ動向に敏感で、値動きが激しくなる傾向があります。

また、金の値動きの影響を受けることも多いですが、工業用需要の割合が多いため、景気動向への反応が大きくなりやすいという特徴もあります。

実際にNY金先物とNY銀先物のチャートを比較してみますと、全体的に似た値動きになっている一方で、2008年のリーマンショック時や、今年3月のいわゆる「コロナショック」時には、金価格よりも銀価格の方が大きく下げていたことが分かります。

こういった特性から、金価格を銀価格で割った「金銀レシオ」は、景気の先行指標の一つとして注目されています。

銀の可能性

ドイツに本社を置くヘレウス社は、市場の逼迫は年後半に緩和されると予測する一方、太陽電池の主要部品であるポリシリコン生産の増加や、5G対応のスマートフォンデバイスの増加などを受けて、銀需要が増加し、価格を支える可能性があると指摘しています。

昨年5月、欧州委員会は、ロシアへのエネルギー依存脱却のため、今後5年間に公共施設や商業施設に屋上太陽光パネルを設置することを義務付けると発表しました。これにより、EUの太陽光発電容量の目標は、ベースケース予測よりも10%高くなりました。

へレウス社は、主に中国から輸入されている太陽光発電パネルの製造に必要な銀が増加する可能性があり、今後5年間は需要が増加すると予想しています。

シルバーインスティテュートによると、電気自動車の製造における銀の需要も、2017年の約4500万ozから、2030年には7000万ozに増加するとされています。

平均的な内燃エンジン車1台あたりの銀使用量は15~28g、ハイブリッド車では18~34g、電気自動車では25~50g程度となっています。また、自動運転の普及が進めば、さらに銀の使用量が増えるとの見方もあります。

工業用の銀需要は、今後数年間強まる可能性が高そうです。







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