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コーン投資の基礎知識


コーンの歴史


コーンの起源は、中米や南米のアンデス地域が有力と言われています。メキシコでは、約8万年前のものとみられるとうもろこしの花粉粒が発掘されており、紀元前3000年頃には栽培が始まったと考えられています。

西洋諸国へは、15世紀にコロンブス探検隊が西インド諸島で発見して、スペインに持ち返ったのが最初と言われています。16世紀には中国などに持ち込まれ、日本にもポルトガルから長崎に持ち込まれたと言われています。

ちなみに、「Corn(コーン)」は米国、カナダ、オーストラリアなどでの呼び名で、その他の国では一般に「Maize(メイズ)」と呼ばれています。


世界の三大穀物

現在、世界で生産量の多い「コーン」「小麦」「米」は、世界の三大穀物と呼ばれて います。三大穀物のうち、最も生産量が多いのはコーン(約 12.1 億トン)で、次いで小麦(約 7.8 億トン)、コメ(約 3.6 億トン)となっています。

注目すべきはその増加率で、1960年代初頭と 2021年を比較すると、小麦とコメは約3.5倍ですが、コーンは約5.9倍と、人口の伸びを大きく上回っています。また、油糧種子の大豆の生産量は、13.3倍となっています。これは、コーンや大豆が、飼料作物として多く使われているためと考えられます。



コーンの用途は?

私たちの実際の生活では、トウモロコシは“食べる”という用途以外にはイメージがつきにくいですが、日本でも世界でも、トウモロコシは、家畜の飼料として用いられる量が圧倒的に多くなっています。

米国では、トウモロコシは、家畜の飼料と燃料用エタノールの原料として使われる割合が、75%以上を占めています。また、輸出需要が約14%、食用や澱粉糊などに使用される割合は、合わせて10%程度となっています。 

コーンの生産量・消費量と輸入量・輸出量


世界のコーン生産量・消費量は、ともに米国と中国で5割超を占めています。

したがって、米中の生産動向・消費動向は、コーン価格への影響も大きくなります。

例えば、中国でアフリカ豚熱が流行した2018-19年には、飼料用需要が大きく落ち込み、コーン価格も下押しされましたが、反動で需要が増えた2020-21年には、コーン価格は大きく上昇しました。

一方、輸出量では、米国に続き、ウクライナ、アルゼンチン、ブラジルが主要国となっています。

ロシアのウクライナ侵攻は、ウクライナの穀物の生産・輸出に大きな影響を与え、コーン価格も大きく動きました。

輸入量では、中国がトップとなっており、自国の生産量だけでは足りない、中国の旺盛な需要が見て取れます。

また、2番手のメキシコは、2024年から遺伝子組み換え(GM)コーンの輸入を禁止する計画を発表しており、GMコーンを多く輸出している米国との論争が続いています。

コーン価格の変動要因

コーン価格の主な変動要因は、時期によって変化する傾向があります。

以下で少し詳しく見ていきましょう。


天候相場(4-9月)=供給主導の相場

米国では、コーンの生産期間である4-9月期は、生産動向が価格変動の主要因となる「天候相場」となります。

ポイントは、「作柄確定までの天候」と「作付面積」です。

生育時期の良好な気候条件は、コーンの単収増加につながるため、コーン価格の弱材料に、逆に干ばつなど、不作につながる悪天候は、コーン価格の強材料になる傾向があります。

「作付面積」については、3月末に米農務省(USDA) が発表する「作付意向面積」や、6月末の「確定作付面積」などのデータも参考になりますが、作付時期の天候や、大豆など競合作物の価格などもコーン価格に影響を与えることがあります。

米国では、コーンと大豆は同じ畑で栽培するところが多くなっているため、コーンの畑が増えれば大豆の畑が減り、大豆の畑の面積が増えればコーンの畑は減る、ということになります。

1つの目安は、作付が本格的に始まる前の両者の価格差です。一般的に、大豆価格がコーン価格の2.4倍を超えると、大豆が選ばれやすくなるとされています。

また、コーンの作付時期は、大豆の約1か月前ですので、この時期に天候が安定せず、コーンの作付が難しいと判断されれば、その年は大豆の生産が増え、コーンの生産が減る可能性が高まります。


需給相場(10-4月)=在庫主導の相場

作柄が概ね確定し、在庫量(+南半球の生産状況)と消費量のバランスで価格が動くのが、コーンの「需給相場」です。

ポイントは「在庫動向」と「需給動向」です

「在庫動向」については、USDAが四半期ごとに発表する「全米穀物在庫」や毎月発表の「世界農産物需給予測」が参考になります。中でも「期末在庫率(期末在庫÷消費量)」は注目され、トウモロコシの場合、期末在庫率が15~20%で適正水準、15%を下回ると逼迫状況にあると言われています。

「需給動向」については、飼料需要に影響を与えるUSDAの発表する肥育牛頭数や豚頭数や、エタノール需要に影響を与える原油価格なども注目されます。

ちなみに、バイオ燃料は原油価格が60ドルを超えると採算がとれると言われています。

また、中国の生産・消費動向や、ブラジル・アルゼンチンの生産動向も、需給相場に影響を与える要因として注目されています。



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