原油はさらに弱気へ OPEC+減産合意できず

原油先物市場 概況(2020年3月2日~3月6日)

WTI原油先物は6日、前週比3.48ドル(7.77%)安い、41.28ドルで取引を終えた。
新型コロナウイルスの感染拡大懸念や、米長期金利の低下などを背景に、米株式相場は急落。リスク 回避の動きが強まる中で、原油市場からも資金が流出。週明けから弱気相場が続いた。
さらに、需要減懸念が広がる中、OPEC+が減産合意に失敗したことを受け、原油価格は週末に大きく下落。ブレント原油、WTI原油価格とも、年初来30%以上低下している。
OPECは、2020年末まで減産幅を150万バレル拡大すること、そのうち50万バレルの減産をロシアなど非加盟国が行うことを提案していたが、話し合いは決裂したようだ。
協調減産の終結シナリオが現実味を増し、2017年1月に減産が開始されて以降の最安値、42.05ドルを割り込んだ。

今週の原油価格見通し
OPEC+が協調減産合意に失敗したことで、原油価格には、さらに下押し圧力が強まりそうだ。
協調減産による支えを失った原油価格は、2017年の協調減産前、2016年1月につけた26.05ドル付近 まで下落する可能性すらある。
一方、サウジとロシアの協力関係にひびが入ったことにより、中東情勢の緊迫化も懸念される。
中でも、ロシアやイランなどが支援するシリアのアサド政権と、米国やサウジなどが支援する反政府 勢力の衝突が激化しているシリア情勢が悪化し、火種が周辺地域に広がる可能性もありそうだ。
また、今週はIEAとOPECの月報が発表される。原油需給の見通しに注目が集まりそうだ。

週足チャートを見ると、先週は上ヒゲの長い陰線で引けた。先安感が強いものの、センチメントが変化する可能性も出ており、今後の動きを注視する必要がありそうだ。RSIでは、売られすぎ水準に入ったところで、次に同水準を抜けるタイミングが反転ポイントとなるかもしれない。
一方、日足では大陰線で引けており、非常に弱いチャートとなっている。一目均衡表で見ると、先週は一度も転換線を超えられずに終えており、やはり基本は弱気とみられる。今週は、転換線46ドル付近を超えられなければ弱気継続、超えて来れば反転のサインとなりそうだ。
注目の経済指標、イベント(3月9日~3月14日)
* 3月9日(月) 日本Q4GDP、IEA月報
* 3月10日(火) 中国2月PPI・CPI
* 3月11日(水) API米原油週間在庫統計、米2月CPI、OPEC月報 EIA米原油週間在庫統計、
* 3月12日(木) 米2月PPI、ECB政策金利発表、
* 3月13日(金) 米3月ミシガン大学消費者信頼感指数
* 3月14日(土) ベイカー・ヒューズ社 米オイルリグ稼働数、CFTC 原油先物 週間投機筋ポジション
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遠藤 結香
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