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原油投資の基礎知識

原油の「種類」について

世界で取引されている原油の種類は、200種類以上と言われています。

その中で、原油取引の際の価格の指標とされているのが、北米・欧州・アジアの商品先物取引市場で取引されている3つの油種ーニューヨーク市場の「WTI原油」、ロンドン市場の「ブレント原油」、東京市場の「ドバイ原油」ーの価格です。

ニュースなどで「NY原油」とされているのはWTI原油のことですね。また、「来年の原油価格予想は…」といった話題では、ブレント原油価格の予測がされている場合が多いようです。

また、NY原油やブレント原油がドル建てなのに対し、東京市場のドバイ原油は円建てとなっているため、日本人投資家にとっては(特に円安時には)取引しやすい商品と言えるかもしれません。

原油の「需要」について

原油は、様々な石油製品の原料となります。

LPガスやガソリン、灯油、軽油、重油などはもちろん、プラスチック製品や合成繊維、アスファルトなども、原油から作られています。

経済活動の様々な場面で必要とされる原油の需要は、景気動向の影響を受けやすい商品です。景気が良いと原油需要は増え、悪いと減る傾向があるため、基本的に好景気は原油高、不景気は原油安につながりやすいと言えます。株価と連動しやすいと言われるのも、そのためです。


2021年の世界の石油消費量は、日量でおよそ9,690万バレルでした。

最も石油消費量が多かったのは米国、第2位は中国で、米・中だけで世界の消費量の35%以上を占めています。したがって、この2国の景気動向は、原油価格への影響が大きくなりやすいです。

また、中国、インド、日本など、石油の輸入量が多い国の景気動向も、材料視されやすい傾向があります。



最近では、2020年に世界各地で新型コロナの感染拡大防止措置がとられ、原油需要は前年から約1割減と大きく減少、原油価格も大きく下落しました。

また、主要国中銀による、インフレ高進を抑えるための急激な利上げ措置が、景気後退につながるとの懸念は、石油需要の減退懸念にもつながり、2022年の原油価格を抑える要因の一つとなりました。



長期的には、原油需要はいずれ減少するとの見方が大勢となっていますが、ピーク時期については、様々な見方があるようです。

一例として、米エネルギー情報局(EIA)は、世界の石油需要は、2050年ころまで緩やかに伸び続けるとの見通しを示しています。


原油の「供給」について

一方、2021年の世界の石油生産量は、日量でおよそ8,987万バレルでした。

最も生産量が多かったのは米国で、サウジアラビア、ロシアが続きます。日量1,000万バレル超えの主要産油国となっているこの3国の生産動向は、原油価格にも大きな影響を与えます。

米国は、生産量も消費量も1位ですので、最注目の国ですね。政府機関が定期的に公式データを発表していることもあり、材料視される機会が多い国でもあります。

サウジ・ロシアは、いわゆるOPEC+の主要メンバーで、2021年も足並みをそろえて協調減産をしていた時期ですので、生産量がほぼ同じになっています。両国は生産余力を残しているとみられていましたが、それほど余力がなくなっているとの指摘も出てきています。



サウジ・ロシアを含むOPEC+は、コロナショック後の2020年5月~2022年8月まで、史上最大規模の協調減産を行っていました。また、昨年11月からは、再び日量200万バレル規模の減産を行っています。

2023年3月からは、ロシアが日量50万バレル規模の自主減産を行い、5月以降は、サウジアラビアなども追加で日量116万バレル規模の追加減産を行うことを決定しました。

OPEC+の減産は、計画的に供給を減らすため、原油価格を支える要因となりやすい材料です。

OPEC加盟国や、ロシアなど協調減産に参加している産油国は、原油価格が国の財政に直結するため、しばしば原油価格を支えるための減産を行います。

米国の産油量が大きく増加した2010年代以降は、OPECの影響力が弱まったとされていましたが、コロナショック後は、米国の産油量が頭打ちとなっていることもあり、OPEC+の相場への影響力が、徐々に強まっているようです。


実は、産油国はここ数年、「新規開発に対する投資不足」という問題を抱えています。

国によって事情は様々ですが、主な理由は「原油安」と「脱炭素」です。

2016年に、原油価格が100ドル前後から一気に20ドル台まで下げ、その後も数年間、概ね70ドル以下で推移する中で、新規投資にお金が回りにくくなっていました。

また、2020年に大幅な安値を付けて以降、原油価格は上昇し、80ドルを超えてきていますが、新規投資額はそれほど増えてきていません。

これは、先進国を中心に「脱炭素」の潮流が強まり、化石燃料の新規開発への投資がされにくくなっていることが、要因の一つとなっていると考えられます。

油田や油井は、掘り続ければ生産量が徐々に減少していくため、生産量を維持するには新規開発を続ける必要があるのですが、ここ数年はそれが不足しているということになります。

また、今から新規投資を増やしても、開発には時間がかかるため、すぐには生産量を増やせないのが現状です。

そのため、近い将来、供給不足が深刻化するという懸念がくすぶり続けています。

景気後退懸念で需要が減少する見通しが強い中でも、原油価格が買い支えられるのは、こういった供給面の事情があることが大きいと考えられます。


原油の「在庫」について

原油価格は、基本的には需給のバランスで決まる部分が大きくなっています。

この需給バランスを示すバロメーターの一つが、原油在庫量の変化です。

需要を供給が上回っていれば在庫が増え、供給を需要が上回っていれば在庫が減るはずですので、在庫の増加は原油価格の下落に、減少は上昇につながりやすいと言えます。

EIAが毎週発表している、週間石油レポートでは、原油や石油製品の在庫量の増減が、原油相場の材料となることが多くあります。

また、2022年には、各国が協力して「戦略石油備蓄」から緊急放出を行い、一時的に供給が大きく増え、原油価格を下押ししました。

この緊急放出を受け、OECD石油在庫量は、大幅に減少しました。そして、2023年以降は、戦略備蓄の買い戻しが計画されており、一時的な需要増につながる可能性も指摘されています。

半年で1.8億バレルという最も多量の備蓄放出を行った米国は、WTI原油価格が67~72ドル以下の時に、戦略備蓄の買い戻しを行うと発表しています。この価格水準は、原油市場でも意識されているようです。


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原油は、現在の世界で重要な資源であり、原油に関する情報は豊富にあります。世界の需給の全体像を把握した上で、最新の情報が需給に与える影響を判断していくことで、相場の方向性も見えやすくなるかもしれません。

皆様が原油投資を楽しむための、一助となれば幸いです。






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