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原油価格の下落要因とは?

トピックス:原油価格の下落要因とは?

足元では、原油需要の回復の遅れが、原油価格の上値を抑えているようです。

需要減懸念に加えて、短中期的に原油相場の弱材料となりそうなのが、原油供給量の回復です。

リビアの状況

北アフリカの産油国リビアでは、2019年4月以降、ハフタル司令官率いるリビア国民軍(LNA)と暫定政権である国民統一政府(GNA)の間で、内戦が続いていました。

武装勢力による主要油田の制圧や、主要港の封鎖により、リビアからの原油供給量は大幅に落ち込んでいました。

しかし今月21日、GNAが停戦を宣言し、LNA側のトブルク政府も停戦を要求しました。

LNAは「(停戦は)ただのメディアマーケティングだ」として、停戦に応じる姿勢を見せていませんが、停戦合意がされれば、リビアからの原油供給量も回復していくと考えられます。

リビア国営石油会社(NOC)は「武装勢力による石油施設の占拠がなくなれば、NOCはフォースマジュール(不可抗力条項)発動を解除し、原油輸出を再開できる」と強調しました。

年初に日量120万バレル程度だったリビアの産油量は、8月には日量10万バレル以下まで落ち込んでいると言われています。

長期の停戦合意ができれば、リビアの産油量は徐々に回復していくとみられ、原油価格の下押し圧力となる可能性があります。

米国の対イラン制裁

今年11月の米大統領選で、民主党のジョー・バイデン氏が勝った場合、イランからの原油供給量が増える可能性があります。

2018年5月に米トランプ政権がイラン核合意から離脱して以降、米国の制裁によって、イランからの原油供給量は大きく減少しました。

2017年のイランの産油量は、平均で日量約380万バレルでしたが、2020年7月には、日量約193万バレルまで落ち込んでいます。

「バイデン政権」がイランと再交渉を開始し、イランに対する制裁を緩めることになれば、イランの産油量は急速に回復する可能性があります。

最大で日量200万バレル程度の増産につながると考えられ、2021年には、イランは原油価格の強材料から弱材料へ、180度転換するかもしれません。

米シェールオイル生産

原油価格の回復が進めば、原油安でストップしていた米シェールオイルの生産も、再開されていくと考えられます。

ライスタッド・エナジーによりますと、25のシェール業者が、7-9月期中にほぼすべてのシェール油井を再稼働させる計画を示しています。

8月中旬には、減少を続けていた米オイルリグ稼働数が増加に転じ、米産油量も今後増加していく兆しとも言えそうです。

米シェール企業が生産を継続できる原油価格は、平均で50ドル程度とされています。この辺りの価格水準を超えてきますと、米シェール生産量が一気に増加する可能性もあります。

新型コロナの影響による原油需要の減少に加え、予想以上の供給回復が原油価格を下押しする可能性は、考慮しておく必要がありそうです。


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