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プラチナ・パラジウム投資の基礎知識

「白金」プロフィール

白金(プラチナ)といえば、宝飾品に使われる貴金属、というイメージが強いですが、実はいろいろなところで使われています。

優れた触媒作用があるので、自動車排気ガスの浄化触媒や燃料電池、石油精製の触媒の他、コンタクトレンズの中和用ディスクにも使われています。

また、融点が1,769℃と高いので、ガラスの製造工程で使用される装置にも使われます。

さらには、ペースメーカーや抗がん剤など、医療分野でも使用されています。

化学的に非常に安定した金属ですので、2019年5月まで約130年間、「1kg」の定義に使われてきた国際キログラム原器にも、白金が90%使われていました。

「白金」プロフィール2

白金は、金以上に希少性の高い貴金属でもあります。

白金の有史以来の生産量は非常に少なく、金の30分の1以下です。

また、白金鉱山の7割以上が南アフリカに集中しています。採れる地域が限られていますので、そこで何かあった場合は、供給に大きな影響が出ることがあります。

たとえば、南アフリカ鉱山でストライキがあった時や、大規模な停電があった時には、供給が不足する懸念から、白金価格が上昇する傾向がみられます。




白金価格の動向

ニューヨーク市場に上場されている白金先物も、その希少性から、かつては金(ゴールド)よりも高い値段で取引されていました。

しかし、2011年頃からは金価格が白金価格を上回るようになり、さらに同じ白金族のパラジウムとも、価格が逆転しています。

一時2,000ドルを超えたこともあった白金ですが、2022年の平均価格は、およそ957ドルでした。

一方パラジウムは、供給不足から価格が高騰し、2022年には、過去最高値3,425ドルを付けました。コロナショックで下落したものの、2022年の平均価格は、およそ2,063ドルとなりました。

パラジウムって何?

パラジウムは、主に白金やニッケルなどの副産物として生産される貴金属です。白金(プラチナ)と同じ「白金族」の6元素のうちの一つです。

ちなみに残りの4つは、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム です。

パラジウムは白金と同様に、主に自動車触媒や電子機器などの工業用として利用されています。

また、世界で採れるパラジウムのおよそ35%がロシア産、40%が南アフリカ産です。やはり採れる地域が偏っていますので、供給が不安定になることもあります。

さらに、副産物としての生産がメインなので生産調整が難しく、近年は需要の増加に生産が追い付いていない状況が続いています。


白金とパラジウムの違いは?

白金とパラジウムはともに自動車の排気ガス浄化触媒として使用されていますが、白金はディーゼル車、パラジウムはガソリン車への使用量が多くなっていました。

ディーゼルといえば、2015年に発覚した排ガス不正が思い出されますが、まさにこれが白金価格低迷の要因の一つになったと言われています。

ディーゼル車が売れなくなったことで、そこに使われる白金の需要も減少してしまったのです。

一方で、パラジウム価格の高騰は続いています。白金とパラジウムの価格差は大きく開きましたが、「高いパラジウムの代わりに安い白金を使う」のは、なかなか難しいことだったようです。

ですが、2020年以降は、自動車用の需要に占めるプラチナの割合が徐々に増えてきています。

今後もこの傾向が続くと、パラジウムと白金の価格差は今後、縮小していくかもしれません。


新たな需要の可能性

白金は、水素との相性が良く、燃料電池車(FCEV)や、水素を発生させるPEM型電解槽などに多く使われています。

水素市場の発展はまだ途上ですが、今後、究極のクリーンエネルギーとして、一大市場に成長するとの期待も強まっています。

水素市場の拡大は、白金需要の拡大につながる可能性もあり、新たな需要として、白金相場を支えることになるかもしれません。






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