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10月WASDE 詳報

毎月注目される、米農務省(USDA)の世界農作物需給見通し(WASDE)ですが、今月は大豆価格が特に大きく反応しました。

USDAは、10月のWASDEで、2022年産大豆の収量予測を1エーカーあたり0.7ブッシェル減の49.8bpaと、市場の増加予想に反して下方修正し、大豆先物の強気な値動きを誘発しました。

小麦の価格は、米国の輸出量の見通しが5,000万ブッシェル減の7.75億ブッシェルに下方修正されたことで、月曜日の高値からの売りが継続する形となりました。

コーンの2022年の収量予測は、先月の予想から0.6ブッシェル減の171.9bpaと、市場予想を下回り、期末在庫量見通しも下方修正されたものの、輸出量・エタノール生産量見通しの下方修正を受け、売り買いが交錯しました。



コーン

USDAは今月、2022/23のコーン需給の見通しについて、供給量の下方修正、飼料用需要の上方修正、輸出とエタノール用需要の下方修正、期末在庫の下方修正と、多くの予測値変更を行いました。

生産量予測は4,900万ブッシェル減の138億9,500万 ブッシェルとなり、単収予想は市場予想の平均179.8bpa に対し、前月予想から0.6ブッシェル減の171.9bpaとなりました。

輸出量予測は1億2,500万ブッシェル減となりましたが、これは供給量が少ないことと、シーズン初めの需要が低迷しているためとUSDAは考えているようです。

最終的に、供給量が需要量よりも減少する予測となったため、USDAは期末在庫予測を4,700万ブッシェル引き下げ、11億7,200万ブッシェルとしましたが、市場予想の平均はもっと低く、11億2,400万ブッシェルでした。

また、出荷価格予測は、シーズン平均で5セント引き上げられ、1ブッシェル当たり6.80ドルとなりました。

期末在庫率は8.28%と、2010年以降では、大干ばつに見舞われた2011/12年に次ぐ低い数値となっています。


米コーン期末在庫率の推移(FarmFuturesより)


2022/23の世界の期末在庫予測は、9月の119億8900万ブッシェルから118億5800万ブッシェルに、予想を上回る大幅な下方修正となりました。南米の生産量予測は据え置きとなりましたが、米国・欧州の生産量予測が下方修正されています。



大豆

USDAは、米国の大豆生産量見通しを6,500万ブッシェル引き下げ、43億1,300万ブッシェルとしました。単収予測は0.7ブッシェル減の49.8bpaとなり、市場予想の50.6bpaを大きく下回りました。

収穫面積予測は前月と変わらず8,660万エーカー、輸出量は南米との競争激化を反映して、4,000万ブッシェル減の20億4,000万ブッシェルとなりました。

期末在庫予測は、2億ブッシェルに据え置かれました。

出荷価格予測は、シーズン平均で35セント引き下げられ、1ブッシェル当たり14.00ドルとなりました。大豆ミールと大豆油の価格は9月と変わらず、それぞれショートトン当たり390ドル、ポンド当たり69セントとなりました。

消費量予測が下方修正され、期末在庫率は4.54%と前月の4.51%からわずかに上昇したものの、大豆の期末在庫率も、相当低い水準となっています。


米大豆期末在庫率の推移(FarmFuturesより)


2022/23の世界の期末在庫予測は、9月の36億3400万ブッシェルから、今月は36億9300万ブッシェルに引き上げられ、市場予想平均の36億7500万ブッシェルを上回りました。

作付シーズンが始まっている南米では、アルゼンチンの生産量予想は18億7400万ブッシェルと変わらず、ブラジルの生産量予想は55億8400万ブッシェルに引き上げられました。



小麦

小麦需給の見通しについては、USDAは生産量、消費量、輸出量、在庫量の予測値を下方修正しました。

生産量は1億3300万ブッシェル減の16億5000万ブッシェルとなり、昨年より僅かに多くなる見通しです。飼料用需要は3,000万ブッシェル減の5,000万ブッシェルとなり、これは1983/84年以来、最低となっています。

小麦の輸出量予測は、供給量の減少や、国際競争力の低下によって5,000万ブッシェル減少し、7億7,500万ブッシェルとなりました。実現すれば、米国産小麦の輸出量は1971/72年以来の低水準に落ち込むことになります。

一方で、期末在庫予想も歴史的に低く、前月から3,400万ブッシェル減の5億7,600万ブッシェルと、2007/08年以来最低となる見通しです。ただ、今月の市場予想は、さらに低い5億5,400万ブッシェルでした。

シーズン平均の出荷価格予測は、20セント高の、ブッシェルあたり9.20ドルとなりました。

期末在庫率は30.9%と、前月から0.5%低下しています。


米小麦期末在庫率の推移(FarmFuturesより)


2022/23年の世界の期末在庫予想は、9月から小幅に減少し、市場予想に近い98億2900万ブッシェルとなりました。

米国以外の主要生産国では、アルゼンチンの生産量予測が6億9800万ブッシェルから6億4300万ブッシェルに引き下げられる一方、欧州、ブラジルの生産量予測は上方修正、カナダやオーストラリア、ロシア、ウクライナは、前月と変わらずでした。




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