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ブラジル大統領選と砂糖

10月2日、ブラジル大統領選の投開票が実施され、当選に必要な有効投票の50%以上を獲得した候補がいなかったため、左派のルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルヴァ元大統領と、現職で極右のジャイル・ボルソナロ大統領による決選投票が、30日に行われることになりました。

ブラジル大統領選の行方が、砂糖相場にも影響を及ぼすかもしれません。


ブラジルとエタノールと砂糖

ブラジルは、世界有数の砂糖生産国・輸出国です。

また、ブラジルは、米国に次ぐ世界第2位のバイオエタノール生産国でもあり、その原料には砂糖と同じサトウキビが用いられています。

ブラジルでは約7割の砂糖工場が、サトウキビを原料とする砂糖・エタノール双方の生産設備を備えていて、収益性を計りながらそれぞれの生産量を決定しています。

つまり、エタノール価格が高ければ、エタノールの生産が選ばれやすくなり、砂糖の生産量が減少する傾向がある一方、エタノール価格が低ければ、砂糖の生産が選ばれやすくなり、砂糖の生産量が増加する傾向があります。



もちろん、サトウキビの収穫高や、ドル/レアル相場、他の生産国の輸出動向など、砂糖価格に影響を与える材料は他にもありますが、ブラジルのエタノール価格上昇→砂糖生産量減→砂糖価格上昇、あるいは、エタノール価格下落→砂糖生産量増→砂糖価格下落 という相関関係もある程度認められます。


大統領選と砂糖価格

昨年からは、ボルソナロ大統領が再選を目指すべく、ガソリンをはじめとする燃料価格の引き下げを行うため、ペトロブラス(国営石油公社)の人事に介入。今年7月には、燃料価格引き下げを実行しました。また、選挙を前にして、連邦政府と州政府の燃料税も引き下げられました。

ボルソナロ氏が再選された場合、減税を2023年まで延長する案があるようです。

一方、ルラ氏も過去に燃料価格抑制のために介入したことがあり、いずれにしても、エタノール価格の抑制→砂糖生産量の増加→砂糖価格の下落 につながる可能性があります。

ただ、ペトロブラスの収益悪化や、燃料不足による価格の高騰の懸念もあり、エタノール価格の上昇やエタノールの増産につながった場合、逆に砂糖価格が上昇する可能性もあります。



また、農業政策の違いが、砂糖相場に影響する可能性も指摘されています。

ルラ氏はアマゾン熱帯雨林の保護を訴えている一方、ボルソナロ氏は熱帯雨林の一部は経済活動のために開発されるべきだと主張しています。

環境保護活動家などはルラ氏を支持しているのに対して、ボルソナロ氏は、農業従事者や農業ビジネス業界から支持を得ています。

ただ、サトウキビ畑は、トウモロコシや大豆など、収益性の高い作物への転作が行われていることもあり、面積が減少しています。ボルソナロ氏が当選した場合でも、必ずしもサトウキビ畑の面積の増加、収穫量の増加につながるとは言えなさそうです。


ブラジルエタノール価格の推移(S&P Global Commodity Insightより)


一方で、9月以降は、ブラジルのエタノール価格の上昇傾向も見られます。今月は、ブラジル大統領選の経過とともに、砂糖価格をチェックするのも、面白いかもしれません。




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