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米シェール企業倒産が止まらない理由


米国の石油産業は、史上最悪の需要ショックから立ち直りつつあるように見えます。新型コロナの影響を緩和するため、米政府は減税や鉱区使用料の軽減、返済免除条件付き融資など、米シェール企業を支援してきました。

石油関連企業が受けとった政府からの支援は、総額100億ドル以上とも言われています。

それにも関わらず、シェール企業の破産申請が相次いでいるのは、何故なのでしょうか?


米シェール企業倒産の現状

法律事務所ヘインズ・アンド・ブーンのデータによりますと、7-9月期に続き、10-12月期もシェール企業の破産申請が増え続けているようです。10月末時点で、シェール企業の倒産件数は40件に上り、年内に55件まで増加するとも言われています。

ライスタッド・エナジーによりますと、原油価格が40ドル前後で推移した場合、2022年末までに北米のシェール企業はさらに150社破綻する可能性もあるとされています。

また、パーミアン地区などの、財務が比較的健全な企業は、合併・吸収の道を模索しているようです。


政権交代の影響

3月の原油価格急落後、米シェール企業はコストを大幅に削減し、結果として4-6月期のシェール生産量は、日量200万バレル以上減少しました。6カ月で数千もの失業者を出したとも言われています。

さらに、バイデン政権への移行で、シェール企業は窮地に追い込まれる可能性がありそうです。シェール井は1~2年で枯渇してしまう場合が多く、生産量を維持・拡大するには、新規掘削が欠かせません。

しかしバイデン氏は、新規掘削の禁止を示唆していますので、来年以降はシェール生産量の維持が難しくなるかもしれません。大統領選でバイデン氏有利との見方が広がった10月以降、オイルリグ稼働数が増加しているのも、トランプ政権のうちにシェール井を掘れるだけ掘っておこう、という動きのように見えます。

☛ 参考:米オイルリグ稼働数

また、気候変動対策に積極的な民主党政権になれば、化石燃料関連企業への風当たりは強まるとみられます。シェール企業を取り巻く環境が厳しくなるのを見越して、事業継続を断念する企業も増えているようです。

米国を世界一の産油国に押し上げたシェールオイルの生産は、すでにピークアウトしたとの見方もあります。米産油量の減少で、米国は再び原油輸入国に戻り、原油価格も米国の増産に下押しされる前の水準に戻していくのかもしれませんね(゜o゜)


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遠藤 結香

NTAA認定テクニカルアナリスト(CMTA®)資格を持つ、さくらインベストのチーフアナリスト。堪能な英語力で、国内外の最新情報をカバー。

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