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IEA 8月石油市場レポート

注目データ:IEA 8月石油市場レポート

世界の石油需要見通し

2020年の世界の石油需要は、前年比810万バレル減の日量9,190万バレルとなる見通しが示され、前月のレポートからは14万バレル下方修正されました。

2021年の石油需要も同24万バレル下方修正され、日量9,710万バレルの見通しとなりました。

新型コロナ感染拡大にともなう移動制限の影響が大きく、特に飛行機による移動は、4月時点で前年比80%減、7月でも同67%減となっています。

世界全体で車や飛行機による移動は減少していますが、欧州ではやや回復の兆しがみられるようです。

また、中国の石油需要は力強く回復しており、6月は前年比で日量75万バレル増となりました。

世界の石油供給見通し

世界の石油供給は7月、前月比250万バレル増の日量9,000万バレルとなりました。

サウジアラビアによる日量100万バレルの自主的な追加減産や、UAEの減産目標オーバー、米国の産油量回復などが要因と考えられています。

OPEC+による大規模な協調減産は、8月から減産幅が日量およそ200万バレル縮小され、OPEC+以外の産油国も生産を再開し始めています。

一方、OPEC+の減産未達成国による追加減産により、8月の産油量は大幅な増加にはならないとの見方も示されています。

2020年の世界の石油供給量は、前年比で日量710万バレル減、2021年は同160万バレル増となる見通しです。

世界の製油所稼働状況

世界の製油所稼働状況は、徐々に回復していますが、需要回復の遅れにともない、回復ペースが落ちているようです。

7月の世界の原油処理量は、5月から日量370万バレル増加し、年内にはさらに560万バレル増加する見通しとなっています。

2020年は平均で前年比日量690万バレル減、2021年にはどう450万バレル増となるものの、2018年のピーク時には届かない見通しです。

世界の原油在庫

6月のOECD商業原油在庫は、前月比1,670万バレル増加し、3.235億バレルとなりました。

7月は、米国で前月比1,820万バレル減、欧州は同360万バレル増、日本は同160万バレル減となったようです。

需給の改善によって、7月の海上保管分は、6月から3,570万バレル減少し、約1.84億バレルとなっています。

原油価格

原油価格は7月、約3ドル幅の狭いレンジでの値動きとなりました。

7月には再びコンタンゴに傾いており、需給改善が遅れる懸念が広がっているとみられます。

まとめ

IEAは、2020年の世界の石油需要見通しを下方修正しました。

ガソリン需要や航空機燃料需要の回復の遅れを指摘する一方、ネットショッピング等の拡大により、トラック用のディーゼル燃料需要は堅調に回復すると見ているようです。

一方、供給面では、IEAは特に米国の動向に注目しています。

米国の産油量は5月、昨年11月の産油量から日量290万バレル減少していましたが、WTI原油価格が40ドル前後で安定し始めたことで、米産油量も増え始めたようです。

カナダやブラジルでも産油量が回復し始め、OPEC+の減産幅も縮小していますが、IEAは、OPEC+の減産未達成だった国が追加減産を行うことで、大幅な供給増にはならないとの見方を示しています。

需給バランスについては、6月に需要が供給を上回り、今後は在庫が徐々に減少するとの見通しを示していますが、新型コロナの影響などにより、原油市場は非常に不確実性の高い状況が続くとも述べています。

新型コロナが終息へ向かえば、原油需給も順調に回復していきそうですが、新型コロナ次第、という状況が、当面は続きそうです。


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遠藤 結香

NTAA認定テクニカルアナリスト(CMTA®)資格を持つ、さくらインベストのチーフアナリスト。堪能な英語力で、国内外の最新情報をカバー。

 

 

 

 

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