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原油投資の基礎知識【2020年8月ver.】

原油投資の基礎知識【2020年8月ver.】

「原油」プロフィール

原油は、様々な石油製品の原料となります。

LPガスやガソリン、灯油、軽油、重油などはもちろん、プラスチック製品やアスファルトも、原油から作られます。


原油が取れる地域には偏りがあり、日本ではほとんど取れません。

2019年の石油生産量が世界で一番多かったのは、米国です。

第2位がサウジアラビア、第3位がロシアで、この3国で世界全体の40%以上を生産しています。



一方、2017年時点で、最も石油消費量が多かったのも、米国です。

第2位は中国で、米・中だけで世界の消費量の30%以上を占めています。

日本は第4位です。日量約390万バレルの消費量となっており、その9割近くを、サウジアラビアなど中東からの輸入に頼っています。


原油価格の動向

2020年の原油相場は、非常に大きな下げを経験しました。

米国のWTI原油は、一時マイナス価格をつけたことで話題となりましたが、ブレント原油やドバイ原油も、最大で年初から70%以上低い価格をつけました。

☛ 参考:原油の種類

このような大きな下げとなった主な要因は、

❶ 新型コロナの影響による原油需要の減少

❷ OPEC+の減産終了に伴う増産

❸ 供給過剰による原油在庫の積み上がり

の3点と考えられます。

❶ 新型コロナの感染拡大を受けた、各国のロックダウンによる移動制限や経済活動制限は、原油需要に大ダメージを与えました。

ライスタッド・エナジーによりますと、3-4月の世界の原油需要は、新型コロナの影響によって日量約1,600万バレル減少したと試算されています。

原油需要の減少により、原油価格は大きく下落しました。

5月以降は、経済活動が徐々に再開され、原油需要も少しずつ回復しているようです。

ライスタッドは、7月の石油需要は平均で日量9,020万バレル、8-10月は同9,060万バレル、11月は同9,300万バレル、12月は同9,470万バレルまで回復するとの見通しを示しています。

ただ、年内に2019年の水準まで戻すことは、難しい状況とみられます。

❷ OPEC+は、2017年1月から協調減産を続けていましたが、2020年1-3月には減産幅を拡大し、日量170万バレル規模の大幅な減産に取り組んでいました。

しかし2020年3月6日、4月以降の減産延長の合意ができなかったことで、原油価格は大きく下落しました。

4月には各国が増産に転じましたが、原油価格は下落を続け、耐えられなくなった産油国は再び、減産を行って原油価格を支える方針に転換しました。

OPEC+は4月12日、史上最大規模となる日量970万バレルの減産を5・6月で行うことを決定し、7月もこの減産規模を維持しました。

8月以降は、日量770万バレルの減産に規模を縮小していますが、5月以降の原油価格の回復は、産油国による減産にも支えられたと言えそうです。

❸ 需要の減少と供給の増加が同時に起こった今年4月には、原油在庫が一気に積み上がりました。

米国では、原油在庫量が最大許容量を超える懸念が高まり、原油の一大集積地であるオクラホマ州クッシングの在庫量は、一時、最大許容量の80%を超えました。

原油を保管するスペースがなくなるとの懸念は、米WTI原油価格がマイナスまで落ち込んだこととも、無関係ではなさそうです。

米政府が戦略石油備蓄(SPR)用のスペースを貸し出したことで、保管場所がなくなるリスクは減退していきましたが、一度積みあがった在庫の解消には時間がかかり、原油価格の重石となったようです。

足元では、SPRの貸出スペース在庫、商用在庫の双方で原油在庫の減少が確認でき、徐々にではありますが、供給過剰が解消されつつあるようです。

原油価格は、ようやく3月の下落前水準まで戻してきました。

今後も新型コロナの状況次第ではありますが、需要と供給、在庫の状況を見ながらの値動きとなりそうです。


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遠藤 結香

NTAA認定テクニカルアナリスト(CMTA®)資格を持つ、さくらインベストのチーフアナリスト。堪能な英語力で、国内外の最新情報をカバー。

 

 

 

 

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