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レバノン爆発と原油価格

トピックス:レバノン爆発と原油価格の関係とは?

8月4日にレバノンの首都ベイルートで発生した爆発によって、150人以上が亡くなり、6,000人以上が負傷、30万人以上が家を失ったとされています。

当初はテロや軍事的な攻撃があったのでは?という見方もありましたが、現時点ではその可能性は低いとみられています。

原油価格への影響も今のところ限定的ですが、万が一、爆発に他国の干渉があったとすれば、原油価格にはどのような影響が出るのでしょうか?

レバノンってどんな国?

レバノンは中東に位置し、北と東はシリア、南はイスラエル国境を接しています。

面積はわずか10,452 ㎢ (岐阜県と同じくらい)で、アジア大陸で最も小さな主権国家と言われています。

EIAのデータによりますと、産油量はゼロですが、かつては中東の金融・観光の中心地として繁栄していました。

しかし、1975年~1990年まで続いた内戦で、国内は大きく混乱。経済復興が進められていますが、2006年のイスラエルとヒズボラの武力衝突などで、インフラなどに被害が出ています。

2019年10月以降は、増税をきっかけに大規模な反政府デモが行われている影響で様々な経済活動がストップし、経済状況は急激に悪化しています。

2020年3月7日には、膨大な累積債務によって、デフォルト状態に陥っています。

また、レバノンには18の宗派が存在していますが、大統領・首相・国会議長を別々の宗派から選ぶなど、バランスを取る方策が取られています。

レバノンの「ヒズボラ」って何?

8月4日の爆発事故も「ヒズボラ」との関係がうわさされましたが、今のところ、その証拠はありません。

この「ヒズボラ」とは、何者なのでしょうか?

ヒズボラは、レバノンの政党の一つで、武装組織でもあります。

レバノンで少数派だったイスラム教シーア派が中心となった政党で、シーア派の権利拡大とともに、イスラエルの滅亡を掲げています。

米国や日本はこのヒズボラをテロ組織に指定していますが、国内では社会福祉に力を入れるなど、単なる過激派の「ならず者」組織ではないようです。

レバノンと中東諸国との関係

レバノンは、シリアとは伝統的に緊密な関係にあります。

内戦開始後、2005年まではシリア軍がレバノンに駐留していましたが、米国などの圧力もあり、2008年にレバノン・シリア間の外交関係は正常化しました。

2011年以降のシリア危機に際しては、ヒズボラがシリアのアサド政権を支援するため、事実上参戦しています。

一方、イスラエルとは、領土問題を抱えている上、レバノン現政権はヒズボラ中心となっていることもあり、対立が続いています。

ヒズボラは、同じシーア派のイラン政府や、非スンニ派政権のシリア政府との関係が深く、これらの国の代理勢力としてイスラエルと衝突することもしばしばあります。

2006年7月には,ヒズボラがイスラエル軍を襲撃したことで、イスラエル・ヒズボラ間の戦争が勃発。双方に多数の死傷者が出るとともに、レバノン国内にも多くの被害が生じました。

また、イスラム教スンニ派が多いサウジアラビアやエジプトは、ヒズボラの行動を批判しています。特にサウジアラビアは、対立するイランや、イエメンのフーシとの関係もあり、ヒズボラを敵視しているようです。

☛ 参考:紅海でタンカー爆発の可能性 国連が警告

レバノンと米国の関係は?

2001年の同時多発テロ以降、イスラエルと対立し、自爆テロなどの手段すら用いるヒズボラに対する米国の姿勢は厳しくなっています。

2001年11月には、ヒズボラをテロ組織リストに掲載し、資産凍結対象としました。

また、イスラエルとの関係が深いトランプ政権とヒズボラは、お互いを批判し合っています。

2018年5月に米国がイラン核合意から離脱して以降は、米・イランの対立の激化を受け、イランの代理勢力としての面もあって、米国とヒズボラの対立は深まっているようです。

米中対立が激化する中で、ヒズボラが経済支援を中国に求めようとしていることも、米国にとっては懸念材料と言えそうです。

最悪のシナリオとは?

今回の爆発には他国が関わっているわけではなさそうですが、仮にレバノンが他国の攻撃を受けるようなことがあれば、どのような事態が起こり得るのでしょうか?

最も可能性が高いのは、イスラエルの攻撃です。イスラエルからの攻撃を受ければ、ヒズボラは、ほぼ確実に報復攻撃を行うでしょう。

ここに、ヒズボラと関係の深いイランやシリア、ヒズボラと対立するイスラエルやサウジアラビア、さらに米国が介入することになれば、中東地域で大規模な軍事衝突が起こる可能性もあります。

中東地域には産油国が集中していますので、そのような事態になれば、原油の生産にも影響が出るのは避けられないでしょう。

また、実際には衝突が回避されたとしても、そのような可能性が意識されれば、原油価格は急騰することも考えられます。

実は、レバノンに限らず、中東には最悪のシナリオに発展する火種が、各地に転がっています。

中東地域に原油輸入の9割近くを頼っている日本にも、無関係なことではなさそうです。


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遠藤 結香

NTAA認定テクニカルアナリスト(CMTA®)資格を持つ、さくらインベストのチーフアナリスト。堪能な英語力で、国内外の最新情報をカバー。

 

 

 

 

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