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米パイプラインに停止命令 シェール生産への影響は?

トピックス:DAPL停止命令の影響は?

2020年7月6日、米ワシントンの連邦地裁は、環境汚染の可能性があるとして、ダコタ・アクセス・パイプライン(DAPL)を30日以内に停止し、裁判所が指定する環境調査が行われる間は再開してはならないと命じました。

DAPLは、シェール産地であるノースダコタ州バッケン地区と、米中西部を結ぶ地下パイプラインで、メキシコ湾岸までつながっています。輸送量は日量約57万バレルです。

バッケン地区のシェール生産量は、新型コロナの影響による原油安を受けて減少していましたが、DAPLの停止によって、産油量回復への道が閉ざされる可能性も指摘されています。

運営会社のエナジー・トランスファーは、立ち退き期限の延長を即時申請しましたが、裁判所はこの申請を7日に却下。同社はすぐにも上訴する意向を示しています。

パイプライン工事と運営には、陸軍工兵隊によるルート上の先住民居住地域の環境アセスメントが条件づけられていましたが、これが不十分だったと裁判所は指摘しています。

別の送電設備の裁判でも、陸軍工兵隊による環境アセスメントが不十分とされて操業停止に追い込まれたケースがあり、裁判が継続しても、最終的にパイプラインの停止命令が覆る可能性は低いとみられています。

また、今年11月には米大統領選があり、DAPLが停止し、環境調査が行われている間に、米政権が交代している可能性があります。

民主党政権となった場合、トランプ政権が推し進めてきたエネルギー政策の方針が転換され、DAPLの運営許可そのものが無効となるかもしれません。

DAPLが完全に閉鎖された場合、バッケン地区のシェール生産量の回復は難しくなりそうです。というのも、再び列車輸送に頼らざるを得なくなるからです。

列車による原油輸送が急激に増えた場合、脱線や爆発の危険があります。

バッケン産のシェールオイルはかつて、列車で運ばれていましたが、しばしば脱線・爆発事故を起こしていたので「爆弾列車」と呼ばれていたほどです。

さらに、列車輸送はコストがかさむため、コストを吸収できない企業は、倒産に追い込まれる可能性もあります。

また、ノースダコタ州には、テキサス州やオクラホマ州のような大規模な貯蔵施設がなく、運び出せなければ生産を絞るしかありません。

昨年11月のバッケン地区の産油量は、日量およそ150万バレルに達していましたが、EIAの試算では、7月の同地区の産油量は、同100万バレル以下になる見通しとなっています。

バッケンのシェール業者は、DAPLが停止した場合、バッケン地区の産油量は日量95万バレル以下に抑える必要があると話しています。

コロナ後も、バッケン地区の産油量回復は、相当難しくなりそうです。


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遠藤 結香

NTAA認定テクニカルアナリスト(CMTA®)資格を持つ、さくらインベストのチーフアナリスト。堪能な英語力で、国内外の最新情報をカバー。

 

 

 

 

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