IEA 6月石油市場レポート

IEA 6月石油市場レポート

注目データ:IEA 6月石油市場レポート

世界の石油需要見通し

2020年の石油需要は、前年比で日量約810万バレル減と、史上最大の減少幅となる見通し。2021年は、20年比で日量約570万バレル増となる見通しが示されました。

航空機用燃料などへの需要減は、少なくとも2022年頃まで石油需要に影響するとみられています。

2020年の世界の石油需要は日量9,170万バレルとなる見通しで、前回レポートから50万バレル上方修正されました。

中国の3-4月の石油需要が急速な回復を見せたこと、インドの5月の需要が大きく増加したことなどを受け、新型コロナの影響による需要減からの回復が予想以上に強いと判断されたようです。

世界の石油供給見通し

世界の石油供給は5月、OPEC+の減産や米・カナダなどでの経済活動停止を受け、前月比で日量約1,180万バレル減となりました。

2020年の供給量は、前年比で日量約720万バレル減となり、2021年は20年比で170万バレル増となる見通しが示されました。

2021年の増加については、OPEC+の減産幅縮小、ノルウェー・ブラジル・ガイアナ産油量の安定増加、リビアの産油量回復が仮定されたうえでの試算となっています。

また、米産油量については、原油価格のさらなる上昇により、シェール鉱区で新規開発が誘引されない限り、2020年は前年比で日量約90万バレル減、2021年はそこからさらに約30万バレルの減少が見込まれています。

世界の原油在庫

4月のOECD原油在庫量は、前月比で約1.48億バレル増の31.37億バレルとなり、5年平均を約2.08億バレル上回っています。

米国では、6月初旬の原油商業在庫は過去最高水準まで積みあがっており、2020年は前年比でおよそ100万バレル増となる見通しとなっています。

2020年1-3月期には、各国、特に欧州で石油備蓄が増加し、前期比で約200万バレル増となっています。

また、5月の海上貯蔵量は、過去最大量となった4月から640万バレル減の約1.65億バレルとなりました。

まとめ

IEAは、原油市場は安定しつつあり、足元の供給減・需要回復の傾向が続けば、年後半にはさらに安定するだろうとしています。

ただ、多くの不確実性があることも指摘しています。新型コロナの第2波・第3波による需要回復の遅れや、価格の上昇による供給の増加、地政学リスクの高まりが原油需給に与える影響などを注視しておく必要がありそうです。


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endo

NTAA認定テクニカルアナリスト(CMTA®)資格を持つ、さくらインベストのチーフアナリスト。堪能な英語力で、国内外の最新情報をカバー。

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