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米雇用統計でリスクオン 奇妙な結果に疑問視も?

今月5日、5月の米雇用統計が発表された。

雇用統計はその国の雇用情勢を表す指標で、アメリカの雇用統計は特に注目度が高く、金融市場に大きな影響を与えている。

先月発表された4月の非農業雇用者数は-2050万人、失業率は14.7%と戦後最悪の結果だった。今月も流れを引き継いで更に悪化することが予測されていたが、一転して非農業雇用者数は前月比250万人の増加、失業率は13.3%と改善した。

非農業雇用者数の市場予想は800万人程度の減少で、予想に対し戦後最大の増加数。失業者が増えていたサービス業などで増加したようだ。

この発表を受け市場はリスクオンに動いた。ダウ平均は5日間続伸で4日の終値は前日比829ドル高となり2月25日以来の高値を付けた。ナスダック総合株価指数は一時9845ドルまで上昇。2月19日に付けた過去最高値を更新し、コロナショック前の水準まで全戻しした。

ダウ指数チャート 5分足
ナスダックチャート 日足

また、安全資産とされる金は大きく売られた。金先物は1700ドルを下回り、約3時間で30ドルの下落幅を見せた。

金先物チャート 5分足

今回の雇用統計は、市場関係者やエコノミストの予測が大きく間違ったが、なぜそのようなことが起きたか疑問が生じている。ブルームバーグが調査したエコノミスト78人の中で最も楽観的な予測でも80万人の減少が見込まれており、失業率は20%に接近するとも予想されていた。

インバーネス・カウンセルのグリスキー氏は「今回の結果はあまりにも奇妙だ。より詳細な情報が必要だ。」としており、「4月にあれほど悪化した後に5月に企業は大量に採用したということか、理解に苦しむ」と続けた。今回の雇用統計は内容を検証する必要があるとした。

エコノミストの予測に大きく影響したのは、失業保険申請件数の急増と、数千万人が失業保険を継続受給していることだとの見方もある。また、政府の救済策「給与保証プログラム(PPP)」などを考慮に入れてなかった可能性もあるようだ。

オックスフォード・エコノミクスのデイコ氏は「5月の雇用統計は勇気付けられる数字だが、失業率はなお高水準にある」とし、コロナ前の労働市場に戻るには時間がかかるだろうと指摘している。


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sasaki

さくらインベスト ディーリング部所属アナリスト。現役トレーダーとして日々相場と向き合っている。チャート分析力に定評あり。

 

 

 

 

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