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当業者のリスクヘッジって何?

「当業者」の商品先物取引

「当業者」とは、商品の生産者や、商品を仕入れる企業などのことです。

より具体的には、農産物の生産農家や金鉱山会社、石油元売り企業などが「当業者」にあたります。

多くの「当業者」が、事業のリスクを軽減するために、商品先物取引を利用しています。彼らはどのようにリスクヘッジをするのでしょうか?

当業者のリスクヘッジ~商品使用者の場合~

例えば、飼料用にコーンを購入して、牛を育てている酪農家の場合を考えてみましょう。

この酪農家は半年後に飼料用のコーンを仕入れる予定です。

半年後、実際にコーンを仕入れる価格は、現時点では分かりません。もし半年後のコーン価格が、1ブッシェル(bsh)3ドル以上になっていると、赤字になってしまいます。

ちなみにブッシェルとは、主に穀物の体積を表す単位で、米国では1bsh=約35.238ℓです。

商品先物市場で半年後渡しのコーン価格を見てみると、1bshが2.5ドルとなっていたため、商品先物市場で買いポジションを建てることにしました。

商品先物市場での値段と現物市場での値段は、期限が近づくにしたがって収斂していきますので、この酪農家が買ったコーン先物価格とコーン現物価格は、半年後にはほぼ同じになっていると考えられます。

もし、半年後のコーン価格が1bsh=3.5ドルになっていた場合、現物の仕入れでは1bsh=0.5ドルの赤字となりますが、商品先物取引で1bsh=1ドルの利益がでています。

この場合、商品先物取引の利益で赤字が相殺され、1bsh=2.5ドルでコーンを買ったのと同じ結果になります。

逆にもし、半年後のコーン価格が 1bsh=1.5ドルになっていた場合、現物の仕入れでは1bsh=1.5ドル安く仕入れられますが、商品先物取引で1bsh=1ドルの損失がでています。

この場合も結局、差し引き1bsh=2.5ドルでコーンを買ったのと同じ結果になります。

つまり、商品先物取引を利用することによって、半年後にコーンを買う価格を、あらかじめ赤字がでない2.5ドルに固定することができるのです。

当業者のリスクヘッジ~商品生産者の場合~

今度は、コーンの生産者の場合を考えてみましょう。

このコーン農家は、半年後に市場でコーンを売却する予定です。

半年後、実際にコーンを売る価格は、現時点では分かりません。もし半年後のコーン価格が、1ブッシェル(bsh)2ドル以下になっていると、赤字になってしまいます。

そこで、商品先物市場で半年後渡しのコーン価格を見てみると、1bshが2.5ドルとなっていたため、商品先物市場で売りポジションを建てることにしました。

もし、半年後のコーン価格が1bsh=3.5ドルになっていた場合、現物の売却では大きく利益がでますが、商品先物取引で1bsh=1ドルの損失がでています。

この場合、差し引き1bsh=2.5ドルでコーンを売ったのと同じ結果になります。

逆にもし、半年後のコーン価格が 1bsh=1.5ドルになっていた場合、現物の売却では1bsh=0.5ドルの赤字になってしまいますが、商品先物取引で1bsh=1ドルの利益がでています。

この場合も、差し引き1bsh=2.5ドルでコーンを売ったのと同じ結果になります。

つまり、商品先物取引を利用することによって、半年後にコーンを売る価格を、あらかじめ赤字がでない2.5ドルに固定することができるのです。

商品先物取引で損失が出ることもありますが、価格変動の大きい商品の売値や仕入れ値をあらかじめ固定できれば、事業の見通しが立てやすく、当業者にとって非常にメリットが大きいと言えます。

当業者にはリスクヘッジが欠かせない!

当業者にとって、あらかじめ販売・購入価格をほぼ確定できる商品先物取引は、リスクヘッジに欠かせないものだと言えます。

商品先物取引がさかんな米国では、商品を扱う会社が商品先物市場でリスクヘッジをしなかったことで、株主から訴えられることもあるほどです。

リスクヘッジのために、商品先物取引を利用する国もあります。産油国であるメキシコが、大規模な原油の売りヘッジを毎年行っていることは有名です。

今年はこの売りヘッジによって、4月の原油価格暴落で60億ドルの利益が出て、メキシコは原油安による歳入減を補うことができたようです。

ちなみにメキシコが商品先物取引で利益を得たのは、今回を含めて3回だけと言われています。

「あえて損を取る」参加者もいるのが、商品先物取引の特徴の一つなのですが、彼らがリスクヘッジをするためには、多数の投資家が参加する商品先物取引市場が不可欠です。

言い換えれば、商品先物取引への参加は、経済の根幹を支える当業者を支え、社会に貢献することと言えるかもしれません。


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NTAA認定テクニカルアナリスト(CMTA®)資格を持つ、さくらインベストのチーフアナリスト。堪能な英語力で、国内外の最新情報をカバー。

 

 

 

 

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<リスクについて>
商品先物取引は相場の変動によって損失が生じる恐れがあり、また、当社必要証拠金の額に比べて何十倍もの金額の取引を行うため、その損失額は預託している証拠金等の額を上回る可能性があります。
<証拠金等の額とレバレッジ>
商品先物取引は委託に際して証拠金等の預託が必要になります。最初に預託する当社必要証拠金額は商品により異なりますが、2020年10月5日現在最高額は取引単位(1枚)当り1,300,000円、最低額は取引単位(1枚)当り4,760円です。国内商品市場取引の必要証拠金額は、毎週日本証券クリアリング機構にて発表されるプライス・スキャンレンジと同額です(損失限定取引を除く)。ただし、実際の取引金額は当社必要証拠金の額の約7倍という著しく大きな額になります。また証拠金等は、その後の相場の変動によって追加の預託が必要になることがあり、注意が必要です。ただし、その額は商品や相場変動により異なります。
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