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産油国ベネズエラの窮状

コラム:産油国ベネズエラの窮状

ベネズエラと言えば、カリブ海のリゾートとして知られていました。名曲「コーヒールンバ」の生まれた国としても有名です。

また、ベネズエラは世界有数の産油国で、埋蔵量では世界一位、OPECの創設メンバーでもあります。

しかし、ここ数年、ベネズエラの産油量は大きく減少しています。

かつては日量300万バレルを超えていた産油量が、 政治的・経済的混乱に加え、米国による制裁によって 、2019年には日量約79万バレルまで落ち込んでいます。

ベネズエラ混乱の原因は?

ベネズエラでは、1998年~2012年のチャベス政権下において、大統領権限の強化や企業の国営化、価格統制などが行われた結果、経済活動が低下してしまいました。

独裁的な体制を嫌い、エンジニアなど優秀な人材が国外へ流出したことで、産油施設はもちろん、インフラの整備ができなくなってしまい、停電も頻繁に起こるようになりました。

2013年以降のマドゥロ政権下でも同様の政策が引き継がれました。

2018年5月には、マドゥロ大統領が主要な野党指導者を排除して大統領選を強行したことで、国際社会からの非難が集中。反政権の機運が高まりました。

2019年1月には、米国がベネズエラの野党指導者フアン・グアイド国会議長をベネズエラの暫定大統領として承認したことを受け、マドゥロ氏は、米国との国交断絶を宣言しました。

同月、米財務省は、ベネズエラの国営石油会社PDVSAを経済制裁の対象に指定したと発表し、70億ドル規模の資産が凍結されました。

ベネズエラは、原油輸出が輸出額の約95%を占めていましたので、米制裁により、外貨獲得手段がほぼ断たれてしまいました。

米国や欧州主要国、ブラジルなどはグアイド氏支持を表明していていますが、ロシアや中国、キューバなどはマドゥロ氏を支持しています。

ベネズエラは、米露や米中の対立要因の一つにもなっているわけです。

2020年5月には、米民間企業がベネズエラ国内でクーデター未遂を起こしたとして、アメリカの元軍人2人を含む、17人が拘束されたと伝えられています。

また、米制裁を受けているイランから石油燃料を輸入したことで、米政府はベネズエラに追加制裁を課すことも示唆しています。

ハイパーインフレの恐怖

イランから燃料を輸入していることからも分かりますが、ベネズエラではガソリンなど、物不足が深刻化しています。

食糧不足も深刻で、これまでに500万人以上が国外へ脱出したとされています。

政治の混乱に加え、原油安が物不足に拍車をかけ、ベネズエラではインフレが加速しています。

IMFの試算では、2020年4月時点のベネズエラのインフレ率は、年率で15,000%に達しています。

ブルームバーグの「カフェ・コン・レチェ指数」によりますと、ベネズエラの首都カラカス東部にあるベーカリーのコーヒー1杯の値段は、2017年2月には0.02ボリバルでしたが、2020年6月には、180,000ボリバルまで 上昇。

単純に倍率だけ当てはめますと、一杯200円だったコーヒーが、3年後、18億円になっている計算です。

日本は長期にわたってデフレが続いていましたので、ピンとこないところもありますが、このようなハイパーインフレ下では、まともな経済活動はできません。

国内の混乱によって、原油の生産どころではない、というのがベネズエラの現状のようです。

また、国内の混乱が収まったとしても、これまでの設備投資の不足や人材不足によって、ベネズエラの 産油量回復には相当の時間がかかるとみられます。


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