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需要回復に疑問符? 地政学リスクも注目

原油価格下落 需要減懸念が再燃

原油価格は金曜日、やや下落。

WTI原油先物は、日本時間10時40分、前日終値より0.10ドル安い、33.82ドルとなっている。

EIA発表の米原油在庫量が2週連続で減少となったことが、原油価格の支えとなったようだ。

一方、中国が2020年の成長率目標を見送ったことで、原油需要への影響が長引くとの見方から原油価格は下押しされたとみられる。

需要回復に疑問符も 地政学リスクも注目

供給過剰懸念から大きく下げていた原油価格は、需給改善への期待から回復しつつある。

20日発表されたEIA米原油在庫統計によると、先週の米原油在庫量は、前週比約500万バレル減と、2週連続で減少している。

在庫の減少は、供給の減少と需要の回復両面によるものと考えられる。実際に、米主要航空会社とエアカナダが予約数の回復等を報告するなど、石油燃料需要の回復につながる動きも出てきた。

しかし、21日発表の米新規失業保険申請件数は約240万件と、米国の失業者数は増え続けている。

失業者数の増加は、ガソリン等石油燃料の消費量減少に直結する。新型コロナ感染拡大第2波への警戒感も強く、原油需要はまだまだ弱いとの見方もある。

また、世界第2位の原油消費国である中国が、22日の全人代で成長率目標の設定を見送ったことも、原油価格の弱材料となっているようだ。

今後も需給のバランスは注視していく必要がありそうだ。

一方、地政学リスクの高まりが原油価格に影響を与える可能性も注目されている。

現在、イランから5隻のタンカーがベネズエラに向けて航行しており、ベネズエラに6月2日に到着する見通しとなっている。イランからの原油輸出は、イランとの取引を禁止した米制裁違反となる。

米政権は、これを阻止しようとイランへの圧力を強めているようだ。20日には、米国がイランのラハマニファズリ内相などを制裁対象に指定すると発表した。

イランはもちろん、ベネズエラも先週のクーデター未遂事件を巡って反米意識が高まっており、戦争に発展する可能性まで指摘され始めている。

産油国を巻き込んだ戦争は、原油供給の減少につながることから、原油価格急騰の引き金となることが多い。今後2週間程度は、地政学リスクの高まりにも注意したほうがよさそうだ。

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