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限月(げんげつ)って何?

商品先物取引の特徴の一つに、「取引に期限がある」という点があります。これがよく分からない、という声も多い、商品先物取引の取引期限=限月について、解説します。




なぜ取引に期限があるの?

もともと商品先物取引は、商品の生産者と使用者が、将来の任意の時点で、その商品を売買することを約束する形で始まりました。

価格の変動が大きい商品の場合、あらかじめ売る価格・買う価格が決定できるメリットは大きく、現在も多くの生産者・使用者が先物取引を利用しています。

ただ、希望する時期に同じ量を売ってくれる・買ってくれる相手を、個々に見つけるのは大変です。

そこで、売りたい人・買いたい人が集まる場所=取引所が作られ、公正かつ使い勝手のいい取引となるように、仕組み・ルールが整えられていきました。

その一つが受け渡し時期の設定です。この受け渡し時期が「限月」と呼ばれるものです。

このように、商品先物市場は生産者や使用者が実際に商品を受け渡すことを前提に作られてきたため、商品の「受渡時期」が決められています。

一方で、一般の投資家は基本的に商品の受け渡しをしませんので、 受渡時期の前に差金決済をすることになります。それで、受渡時期≒取引の期限となっているのです。


限月について詳しく!

「限月」は、取引所によって、それぞれの商品ごとに決められています。例として、東京商品取引所に上場されている「プラッツドバイ原油(東京原油)」の限月を見てみましょう。

プラッツドバイ原油(東京原油)の限月ごと価格情報 (JPX 2022.10.26)


一番左が「限月」です。東京原油の場合は、2022年10月時点で、2023年12月まで、15限月が設定されています。(2021年9月に6限月制から15限月制に移行されました)

商品によって、限月が毎月あるもの、2か月ごとにあるものなど、様々で、アメリカのWTI原油(NY原油)先物の場合は、2022年10月時点で、2033年2月限まで設定されています。

期限が近いものを「期近(きぢか)」、期限が遠いものを「期先(きさき)」といいます。

2022年10月限(じゅうがつぎり)は、2022年10月末が取引期限となっている商品です。このような最も期限の近いものは、「一番限(いちばんぎり)」あるいは「当月限(とうげつぎり)」や「当限(とうぎり)」とも呼ばれます。そして、近い方から二番限、三番限…と続きます。

先物取引では、当限の取引量が最も多くなる場合が多いのですが、東京原油は五番限・六番限の取引量が多くなる傾向があります。

2022年10月末を過ぎると2022年10月限は消滅し、2022年11月限が「期近」に、そして一番下に新しく2024年1月限が加わり、これが新たな「期先」物になります。東京原油の場合は毎月、同じように一番古い限月が消え、新しい限月が1つ加わります。

また、受渡時期が異なりますので、同じ原油でも、限月によって価格が違うのが普通です。

例えば、上記の表では、11月限の現在値は82350円、23年4月限は73500円となっています。

通常、商品の保管コストや不確定要素などが上乗せされてくるため、期限が先のものの方が、近いものに比べて価格が高くなっていきます。この状態を「順鞘(コンタンゴ)」といいます。

一方、足元の商品市場で需給がひっ迫するなどして、期限が近いものが先のものよりも価格が高くなることもあります。この状態を「逆鞘(バックワーデーション)」といいます。すぐに需給ひっ迫が解消される見通しがなければ、逆鞘は「相場の先高観が強い」サインと捉えられる傾向があります。

商品先物市場では、このような限月間の価格差の変動を利用した、鞘取り手法も行われています。

【参考】商品先物取引の手法~鞘取編~

実際の取引での注意点は?

例えば、2022年10月26日に、2023年3月限の東京原油を74730円で買い建てたとします。

11月に入ると2022年10月限は消え、六番限だった2023年3月限は、五番限に移行しますが、買い建てた時と同じように「2023年3月限」として売買され、値段が付きます。

つまり、保有建玉は「2023年3月限」なので、損益の確認や売却時の値段は、「2023年3月限」の値段になります。上記の表では、自分が保有している建玉の価格が表示される場所が、毎月一つずつ上にずれていくわけですね。ややこしいです…(*_*; 

特に異なる限月の建玉を複数持つ場合は、それぞれの保有建玉の限月と同じ限月の値段をチェックするようにしましょう!

また、期限が近づくにつれ、取引高が少なくなることにも、注意が必要です。

上記の表では、月末ということもありますが、当限の値段がついていません。特に国内市場では、期限が近づくほど取引高が少なくなり、取引が成立しにくくなる傾向があります。

状況を見ながら余裕を持って早めに決済をする、あるいは、決済をして期先のものを買い直す/売り直すことも、選択肢に入れておいた方がいいかもしれません。





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