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コロナショックで米産油量は800万バレル減も?

コロナショックと原油安

新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の抑制によって、原油需要は大幅に減少しています。

4月の世界の原油需要は、年初の予想と比べますと日量およそ3,000万バレル、約30%少なくなっているとみられます。

需要が大きく減少したことで、原油価格も大きく下げています。

これに対し、OPEC+や他の産油国は、供給を減らすことで原油価格を回復させようとしていますが、減らせる量は最大で日量2,000万バレル程度と言われています。

単純に計算すれば、日量約1,000万バレル余ることになりますので、供給過剰懸念が高まっているのもうなずけます。

ただ、「原油安がもたらす不可抗力の供給減」については、あまり注目されていないようです。

原油の生産コストが売却益を上回れば、生産はいずれ停止せざるを得ません。また、原油の生産は一度停止すると、再稼働に時間もコストも大きくかかります。

原油安が長引けば、長期的に原油の生産量が減少するリスクがあるのです。

原油安がもたらす供給減

特に大幅な減少リスクがあると考えられるのが、アメリカの産油量です。

アメリカは現在、世界第1位の産油国であり、2019年の産油量は日量1,200万バレルを超えています。

しかし、未曽有の原油安により、産油量を増やしていたシェール企業の倒産が伝えられるなど、米産油業者は苦境に立たされています。

シェール企業の多くは中小企業で財務基盤が弱いことに加え、シェールオイルの掘削コストは中東諸国などに比べて高く、原油安の影響を強く受けているのです。

米ダラス連銀が、代表的なシェール産地で掘削する企業へのアンケートを実施し、2020年3月に調査結果を公表しています。

これによりますと、平均で、原油価格が50ドルを下回ると新規掘削ができなくなり、32ドルを下回ると生産ができなくなる、という結果が示されています。

現在の原油価格は、ほとんどのシェール企業が生産を停止せざるを得ない水準ということになります。

また、エネルギー調査企業ライスタッド・エナジーは2020年3月、原油価格別のシェールオイル生産量予測を出しています。

これによりますと、原油価格が40ドル以上に回復しなければ、2020年の生産量は減少に転じます。

また、20ドル程度では安定した生産ができなくなり、それ以下になると、2020年末には、600万バレル以下まで生産量が落ち込むとの見通しを示しています。

シェールオイル以外の生産減を合わせると、アメリカの産油量は全体で800万バレル程度減少するとの見方もあります。

自発的な減産とは違い、意図しない供給減については、どの程度の規模になるのか測り知れないところがあります。

新型コロナの終息後には、もしかしたら原油の供給不足が待っているかもしれません。

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遠藤 結香

NTAA認定テクニカルアナリスト(CMTA®)資格を持つ、さくらインベストのチーフアナリスト。堪能な英語力で、国内外の最新情報をカバー。

 

 

 

 

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