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南シナ海をめぐる対立 米中軍事衝突も?

コラム:南シナ海をめぐる対立 米中軍事衝突も?

南シナ海で、米中の緊張が高まっています。

中国の国営メディアであるグローバルタイムズ紙は17日、中国が実効支配している南シナ海を航行する米軍艦に対し、電磁パルス(EMP)攻撃を行う可能性に言及しました。

同日には、米海軍が南シナ海での軍事演習を行っていることを発表していました。

中国は、南シナ海の90%の領有権を主張していますが、2016年には国際裁判でこれを認めない判決が出されています。

しかし、中国は現在も、人工島を含む南シナ海の島々に、対空・対艦ミサイルやレーダー・ジャミング装置を次々と配備し、南シナ海の軍事拠点化を続けています。

米軍による南シナ海での大規模な演習は、こういった中国の動きをけん制するものと考えられます。

グローバルタイムズ紙は「この1週間だけで、米軍艦の南シナ海への『領海侵犯』は3回目だ」として、軍事演習を行っている米原子力空母「セオドア・ルーズベルト」へのEMP攻撃を示唆しました。

EMP兵器は、電磁パルスを放出し、敵艦などが一時的に電子機器を使用できなくする攻撃手段として、中国やロシア、イラン、北朝鮮などが開発を行っていると言われています。

ただ、現時点で実行可能なEMP攻撃は、核兵器の「高高度核爆発」に伴うものに限られるようです。

「高高度核爆発」とは、高度40kmからおよそ400kmの高層大気圏における核爆発のことをさします。

核兵器を爆発させた際の核分裂において、発生したγ線が、大気層の希薄な空気分子に衝突して電子を放出させ、その電子が地球磁場の磁力線に沿って螺旋状に跳び、強力な電磁パルスを発生させます。

それにより、瞬間的な高電流・高電圧が発生し、過大な入力に耐えきれない機器が故障するのです。

一方、中国の軍事専門家ソン・ジョンピン氏は、核爆弾を使わずとも、レーザーによるEMP攻撃が可能だとしており、それが米軍への「強い警告」となる、との考えを示しています。

2月中旬には、中国軍の艦船が、グアム周辺の太平洋上空を飛行する米海軍の哨戒機「P8」に 対し、実際に軍事用のレーザーを照射する事例が発生しています。

中国は、EMP攻撃を「犠牲者が出ず、軍事行動にあたらない」との考えを示していますが、このような行動が、軍事衝突に発展する可能性は否定できません。

思い出されるのは、今年1月の米・イランの緊張の高まりです。両国の軍事衝突に発展しかねない事態を受け、「有事の金」が大きく買われました。

今回も、米・中の緊張が高まることによって、再び金が大きく買われる可能性もあります。もちろん、他の金融資産にも影響が出ることになるでしょう。

しばらくは、南シナ海の情勢を注視しておいた方がよさそうです。


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遠藤 結香

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