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知っておくべき「シェールオイル」の今

「シェールオイル」とは?

「シェールオイル」とは、以前は開発が難しいとされていた、シェール(頁岩)層に含まれる石油のことです。頁岩は、硯の材料としても使われる岩石です。

シェール層は通常、地下深くに、水平に分布しています。シェールオイルやシェールガスは、その中にばらばらに散らばって存在しているので、垂直に抗井を掘っても石油を回収することはできません。

そこで、2000年台に「水圧破砕」や「水平抗井掘削」といった新しい技術が開発され、2010年台には主にアメリカで急速に商業開発が進みました。いわゆる「シェール革命」です。

シェールオイルを掘り出すには「リグ」という装置を使って、まずシェール層まで垂直に抗井を掘り、その後水平に掘り進めます。そこに高圧な海水などを入れて岩を砕き、さらに砂を混ぜた水で割れ目をキープし、そこから石油を回収するのです。

高度な技術が必要ですので、シェールオイルの生産を始めるには、非常に大きな初期投資が必要です。さらに、場所にもよりますが、苦労して掘っても1~2年で枯渇してしまうものが多いようです。

また、使用後の排水が健康被害を引き起こすということで、地元住民や環境団体などが、シェール井の掘削に強く反対することもあります。シェール業者も意外と苦労しているんですね。

米国のシェールオイル生産の状況

米国のシェールオイル生産業者には、財務基盤の弱い中小企業が多く、近年は資金繰りに苦労している会社が多いようです。

そもそも、2012年~2014年半ば頃のいわゆる「シェールブーム」のころは、原油価格も100ドル前後と高く、シェール企業は期待の産業として、多くの資金を集めていました。

しかし、2014年後半の原油価格暴落の後は急速に業績が悪化。2015年以降に倒産したシェール業者の数は、200社を超えています。

投資家の目も厳しくなり、資金集めも事業収益も期待できない中、新規投資に回せるお金がなかなか 確保できない、という企業が増えているようです。

実際、2月発表のEIA(米エネルギー情報局)レポートによると、2019年の米シェール生産量はパーミアン地区のみ増加していましたが、全7地区中6地区で減少していました。

さらにパーミアン地区でも、2020年は生産活動を抑えると表明するシェール企業が増えつつあります。例えばマラソンオイルは、シェール井掘削にかける予算を、前年比30%削る方針を打ち出しています。

シュルンベルジェのルプーチCEOは、技術革新によって掘削コストが下がらない限り、米産油量はこれ以上伸びない、と発言しています。

また、EIAの発表では、米産油量は昨年12月、前月比ですでに減少に転じています。

米国は昨年、世界第1位の産油国となりましたが、同国の生産量はすでにピークを迎えつつあるのかもしれません。

2020 米大統領選とシェール生産

今年は米大統領選の年です。テカムセの呪いも気になりますが、まずは政権交代があるのかどうか。

もし民主党が政権をとった場合は、原油生産にも大きな影響がありそうです。

というのも、ご存知の通り、トランプ大統領は、パリ協定を離脱するなど気候変動対策には後ろ向きな姿勢を取り続けています。

石油エネルギー産業の発展にも協力的で、広大な政府所有地をシェール業者に貸し出してきました。

前述のとおり、シェール井は生産できる期間が短いので、生産量を保つためには、次々と新しい油井を掘り続けるしかありません。

IEA(国際エネルギー機関)によりますと、2017年には既存のシェール井の生産低下分を賄うためだけに新たな油井が8500必要だったとされています。

一方、民主党は気候変動対策に積極的で、石油産業に対する姿勢は厳しいことで知られています。

11月の大統領選で民主党が政権をとれば、シェール企業は少なくとも政府所有地の返還を求められる ことになるでしょう。

ラピダン・エナジー・グループによりますと、米政府所有地のシェール産油量は日量約300万バレル、民間所有地のシェール産油量は約260万バレルとなっています。

つまり、政府所有地でシェール生産ができなくなれば、米国の産油量は大きく減少する可能性がある、ということです。

まとめ

このくらいは知っておきたい! シェールオイルのこと

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遠藤 結香

NTAA認定テクニカルアナリスト(CMTA®)資格を持つ、さくらインベストのチーフアナリスト。堪能な英語力で、国内外の最新情報をカバー。

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