OPEC+と原油価格

「OPEC+」とは?

OPEC+とは、2017年1月から協調減産に取り組んでいる、石油輸出国機構(OPEC)と、ロシアなどOPEC非加盟国からなる、産油国グループのことをさします。
「OPEC+」という呼称は、2018年9月ごろから報道などで使われ始めました。
おそらく、協調減産期間が長くなるにつれ、いちいち「サウジ主導のOPECとロシアなど非加盟の協力国」と言うのは大変、ということで、まとめて「OPEC+」と呼ばれるようになったのでしょう。
ちなみに「OPEC+」は公式な呼称ではありませんが、今ではOPEC+メンバー国のエネルギー大臣達も自分たちのことを「OPEC+」と呼んでいます。
OPEC+のメンバーは、OPEC加盟国14か国と、非加盟の10か国でした(エクアドルは、2020年1月にOPECを脱退しました)。


OPEC+協調減産(2017年1月~2020年3月)
2016年12月、OPEC+がおよそ15年ぶりとなる協調減産に合意した当時、合計で世界の産油量の6割を占める国々が参加する、ということで非常に大きな話題となりました。
OPEC+は、2017年1月~2018年12月の2年間は、2016年の産油量から約180万バレル生産量を減らすことを目標としていました。
2019年1月からは、2018年10月の産油量を基準に、そこから120万バレル減らすことに。
さらに、2020年1月から3月の期間は、目標水準をさらに50万バレル引き下げたことに加え、サウジ アラビアが自主的に40万バレルの追加減産を行うことで、実質210万バレルの減産となりました。
過去の「協調減産」は、原油価格が上昇してくると抜け駆け増産をする国が出て失敗、となるのが普通でしたが、今回は多くの国が積極的に取り組んだようです。
2020年1月時点のOPEC+の産油量は、2016年平均と比べて500万バレル以上減少しています。
同時点での目標は350万バレルの減産でしたので、かなり大きく減らしていたことが分かります。
中でもサウジアラビアは大きく生産量を減らしました。同国の財政均衡には原油価格が80ドル以上は 必要と言われており、減産によって原油価格を何としても上げたい、ということだったのでしょう。
しかし、2020年2月、コロナウイルスの影響による原油需要の減少で、原油価格は大きく下げました。
いくら減産しても、原油価格は上がるどころか下がってしまう。サウジもとうとう方針を転換せざるを得なくなったようです。
結局、2020年3月末で、3年3か月にわたる史上最長の協調減産は、幕を閉じることになりました。
OPEC総会と原油価格
OPEC は、総会、理事会、事務局の3つの主要機関から構成されています。中でも総会が、OPECの最高意思決定機関となっています。
総会を行うためには、加盟国の4分の3以上が参加する必要があります。また、総会における決定には、全会一致が必要です。
通常総会は年に2回、6月と12月に行われていますが、今年3月のように重要事項を決定する必要があるときなどは、臨時の総会が開かれることもあります。
総会で決定されたことを執行するのが事務局で、オーストリアのウィーンに本部があります。現在のOPEC事務局長は、ナイジェリアのモハメッド・バルキンド氏です。
面白いのが、2017年協調減産以前から、OPEC総会のタイミングで、原油価格のトレンドが反転することが多い、ということです。
2020年3月も、OPEC総会・OPEC+会合後に原油価格が急落しています。
OPEC以外の国や地域での産油量が増加する中、OPECの原油価格への影響力は、年々弱まっていると言われていますが、市場でもOPECの動向が注目されているのは間違いなさそうです。

まとめ
OPEC+について、以下の点を押さえておきましょう!

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最初に預託する当社必要証拠金額は商品により異なりますが、2020年3月2日現在最高額は取引単位(1枚)当り1,300,000円、最低額は取引単位(1枚)当り11,400円です。
ただし、実際の取引金額は当社必要証拠金の額の約50倍という著しく大きな額になります。
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遠藤 結香
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